え!?100mダッシュと1回の咳の消費カロリーって一緒なの?

どうも、マツイです!
先日、だーかねさんから、このようなメッセージをいただきました!

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”dakane.jpg” name=”だーかね”]マツイ、昔の風邪薬のCMで100mダッシュと1回の咳のカロリーって一緒ってやっていたんだけど、本当? [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”]え!そんなに消費するんですか?たしか、一回の咳は、2kcalだった気がします。 [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”dakane.jpg” name=”だーかね”]ちょっと調べてみてよ〜。 [/speech_bubble]

正直、心の中ではむちゃぶりにもほどがあるだろ!と思っていました。
しかし、咳って意外とカロリー消費するんです。

だから、咳が出ているまま放置をすると、結構体力消耗するんですよね。 咳が続く場合には、もちろん他人にうつさないという目的も含め、受診を促すきっかけにもなるんです。

運動って、人によってどれぐらいの運動が良いのか、認識が結構異なるのが難しいんです。早く歩く、遅く歩く、というのも人によって大きく異なるところが特徴です。

よくあるのが、「私前から運動しているんですよ!」という言葉を信じてみます。そうすると、こちらの認識では、この人は、ジムや朝の散歩など、一定の運動していると思いますよね?

しかしよくよく話を聞いてみると、実際は、近くのスーパーまで毎日往復20分歩いているだけだった、というのがよく患者さんとのやり取りであるのです。

そこで、METsという指標が役に立ちます。

METsとは
運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。
(引用:厚生労働省e-ヘルスネット)

もともと、これは海外で開発されたものなので、普段日本人のなじみのない活動や運動が入っています。それらは日本によって修正され開発されたものもあります。具体的な一例が以下の図のようになっています。

以下で使用するMETsの図や表は、(独)国立健康・栄養研究所の基礎栄養研究部 中江 悟司、田中 茂穂、健康増進研究部 宮地 元彦により作成された「改訂版 『身体活動のメッツ(METs)』」を使用しています。

METs1

何もしていない状態が1なのでお風呂に入るのが何もしていない状態の1.5倍の体力を使うというのがわかります。病み上がりの人や、寝たきりの人が疲れるのでお風呂に入りたくないと訴えるのもうなずけるのではないでしょうか。

100メートルダッシュが、実際に咳1回分のカロリー消費をするのか、計算してみよう!

ここでは、身長160cm、体重60kgの男性をモデルにします。

まず、METs表より、ダッシュを探します。
と、その前に。そもそも成人の100メートル走の平均値ってどれぐらいなんですかね?
・・・・・・調べてみたんですが、文科省を含め、あまり調査がされていないようです。
文部科学省のデータでは19歳以下の人を対象に50メートル走のタイムを記録しているみたいです。単純に、2倍にするのはおかしいような気もしますが、とりあえずそれで計算してみましょう!

METs2
(引用:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index22.htm)

50m=7.44秒なので、100m=14.88秒
細かいと面倒なので、15秒とします!

今回のモデル

太郎さん 20歳
160cm 60kg
100m 15秒で走る。(1分、400mで走る)

METs3

これが、今回の限界なのですが、METsの表には1分間に375.4m走るのが、一番速く走るペースになっています。

このペースで走ると・・・・・・
60sec = 375.4m
60sec : Xsec = 375.4m : 100m なので
375.4x = 60 × 100
x=15.98

ということで、METsにあわせてみましょう。
一般的な平人男性よりもやや足の遅い太郎さんは100メートルを15.98秒で走ります。これが今回の設定です。

そして、この値からカロリーを計算していきます。

METsからカロリーを計算するには・・・・・・。
消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ×時間×体重(kg)

なのですが、人間は安静にしていてもカロリーを消費しています。基礎代謝って奴ですね。安静時のMETsは1なので、消費METsから1を引いた値が、運動により消費したカロリーになります。

先ほどの式を修正すると
運動による消費カロリー(kcal)=1.05×(メッツ-1)×時間×体重(kg)
ですね。

ここで、太郎さんのデータを当てはめます。
運動による消費カロリー(kcal)=1.05×(23-1)×時間×60

太郎さんは、100mを15.98秒で走ります。これを分に換算すると
15.98秒/60秒=0.2663分

次に、時間に換算します。
0.2663分/60分=0.004438時間

これを式に入れます。
運動による消費カロリー(kcal)=1.05×(23-1)×0.004438×60
=6kcal

結論
100mダッシュは、咳3回分のカロリーを消費する。

ちなみに、くしゃみ1回4kcalなので、もしかしたらそちらのほうが近いかもしれません。そして体重が20キロの人であれば2kcalの消費になるかもしれませんね。

[ad#ad-1]

咳を何回したら、1kgやせる?

さて、100メートルダッシュが咳3回分のカロリーを消費することがわかりました。
しかし、多くの人が咳のカロリー消費は大きいから、あまり咳をしないでおこうと思うわけではありませんよね。
大抵が、痩せるためにカロリーを消費しようと思うはずです。果たして、何キロカロリー消費したら1キロ痩せるのでしょうか。

あの体重計で有名なタニタによると、

脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程
(引用:http://www.tanita.co.jp/health/detail/28)

100mダッシュにより、消費されるカロリーは6kcalでした。
7200kcal ÷ 6kcal = 1200 なので
100mダッシュを、1200回すると、脂肪1kgやせることが出来る、というわけです。

これを咳に換算すると・・・・・・・。
100mダッシュが、咳3回分なので、
咳3回 × 100mダッシュ1200回=3600回

結論
咳を3600回すると、脂肪1kgやせられる。

実際にやってみた。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”]ごほっごほっごほっ(ふぅ、100m走、1回と。) [/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”R1″ icon=”matsui.jpg” name=”マツイ”] ごほっごほっごほっ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”dakane.jpg” name=”だーかね”]うるさいわっ! [/speech_bubble]

はい・・・・・・咳1回あたり2kcal消費するとあって、連続して何回もできそうにはありません。
もちろん、咳は周りにばい菌を撒き散らす行為でもあるため、咳をしている場合はマスクの着用を心がけましょう!
様々なマスクが売っていますが、サージカルマスクと名前が付いてるものがお勧めです。

また、マスクを着用する際は、しっかりと鼻の頭でワイヤーを密着させること、顎の下までしっかりと覆うことが大切です。
決して、鼻を出してマスクをするようなことがないようにしましょう!

まとめ

100mダッシュ1回は、咳3回分のカロリー消費。
咳で脂肪1kgやせるには、3600回する必要があり、とうてい無理!

咳をしている場合は、必ずマスク着用を!

ABOUTこの記事をかいた人

救命センターの看護師。英国型のナーシングホームをやりたい。アロマなどを用いて西洋医学一辺倒ではないケアを提供することが目標。学園祭で講演会を1人で企画運営し成功させた。アトピー性皮膚炎の患者指導も研究している。