これだけ知っておけば良い、初診の時かかるべき診療科


患者さんや友人から聞かれることで多いのが、何科にかかったら良いかという質問です。ネットで症状や病気を調べると、典型的な症状の他に特殊な病気がでてきます。そして、ご丁寧にも特殊な病気を疑ったときに受診すべき病院や診療科が併記されています。その結果、ネットを調べてから受診する方の多くが、特殊な専門科にかかってしまい、結局違う科に回されてしまうケースがよくあります。病院にかかろうと思ったとき、診療科に迷わないよう判断基準を伝授したいと思います。

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人ごとではない、良くあるたらい回しのケース

多くの仕事が機械化され、AIなどの人工知能が発達した結果医師の仕事も機械が変わってくれる時代が来るといわれています。自分の症状を入力することにより星の数ほどある病名を探しだし、診断してくれる世の中になる。しかしながら、現在はまだ発展途上のため、臨床経験を積んだ医師には勝てません。

ネットで自分の症状を調べると、アナタの病気は○○ですと表示されます。そして自分の症状が複数箇所当てはまると、ますます自分はその病気だと思い込んでしまう。ネット上には、病名の他に受診すべき診療科や病院まで提示してあります。そして、ネットで調べた病院や診療科に患者さんが受診すると、当然先生たちは診察や検査などを行い、あなたたちが調べてきた病気ではありませんと診断してくれます。

その結果、「私は何の病気なんだろう?」という疑問を持つと思いますが、それを調べるためには、他の病院(診療科)へ行ってくださいと紹介されます。そして、紹介先でもわからないと、また他の病院へと紹介され、たらい回しにされてしまうのです。

意外と知らない医師の仕事

医師の仕事は、患者さんの症状から診察や検査を通じて、この人は○○病であるという診断を付け、治療を行うことです。最初のハードルは、診断を付けることにあります。診断が間違えていたら、治療方法も間違えており、改善するどころか悪化してしまいます。そのような状況から再度診察や検査を行い、診断が誤っていないか、治療方針は間違えていないか、検討しながら行っていきます。

専門性が強い領域の医師達は自分達の専門領域の病気に対して診断する能力が高いことが特徴です。そのため、内科や外科など主要な診療科で診断が付かず、専門の先生に診てもらうという選択は、その領域の先生に診断を付けてもらうという意味合いが強いのです。「逃げ」の印象があると思いますが、自分達の限界を知り、ほかの専門領域の先生に助けを求められる強み、謙虚さがあるのです。逆に診断が付かぬまま、ズルズルと自分が抱えてしまう医師の場合、いつまでたっても良くならず、悪化してしまうケースがあり注意が必要です。

気をつけた方が良い診療科

あまり知られていない事実に、医師は自分が何科かというのを自由に名乗って良いということになっています。何科に何年以上勤めたら、何科を名乗るというシステムではありません。したがって、これまで内科をしていた先生が開業したときに、皮膚科・内科と名乗っても良いということなのです。

信じられないかもしれませんが、内科・外科・皮膚科・小児科など掲げる先生もいます。もちろん、これまで勤務したことがない診療科も含まれています。しかし、総合内科などどのような疾患でも一通り診られる先生も増えており一概に怪しい病院とは言えないのが、判断を難しくさせています。

その中で、気をつけた方が良い診療科は整形外科・皮膚科です。どちらも専門性が高くその両立が困難なことと、両方とも高齢者が悩みを抱えやすい領域のため、お客さんである患者さんを獲得しやすいという背景があります。

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身体に異常がでたときに最初に受診するのはズバリ

厚労省によると現在日本にある診療科は66種類にも及びます。それは新しい病気の発見や高度な治療を行うためには特殊な知識を持つ専門医が必要だという側面があります。しかし、特殊な病気は何千人に1人、何万人に1人という割合のため、多くの人たちが感じる症状は一般的な風邪症状やありきたりな蕁麻疹のような症状の可能性が高いのです。ありきたりな疾患をしっかりと見抜いてくれる診療科を選択し受診することが一番大切なのです。

このことから、最初にかかった方が良い診療科は、幅広く診断する能力が高く、そして専門性が強い科であることが条件になります。

咳・のど・鼻に内科

咳やのどの痛みなどの風邪症状やおなかの痛み、頭痛など目に見えない症状は内科にかかってください。いきなり脳神経外科や、耳鼻咽喉科を受診すると、実は他の内科系の疾患の可能性があるといわれてしまったりと、診断がつくのが遅くなる可能性があります。

また頭痛の精査としてCT検査を希望する患者さんもいますが、脳出血などの命に関わるような疾患の場合、自分で診療科を選択するような余裕はなく、落ち着いて病院探しを出来ているような状況の時には、まずCT検査を急いで撮影する必要はないでしょう。ムダな検査はされたくない、でも命に関わるような病気も怖い。

そんなときも含めてまず内科を受診し、専門科で詳しく検査をした方が良いのか、このまま様子を見ても良いのか判断を仰ぎましょう。専門科で調べた方が良いといわるときは、その内科の先生が紹介状を発行してくれます。その紹介状を持参すれば専門科でもスムーズに診察を受けることが出来ます。

首・肩・腰に整形外科

歩いたときに痛かったり、ものを持ったときに痛かったりと、骨や筋肉、関節の痛みなどは整形外科を受診するようにしてください。内科の先生達は、内臓からくる痛みの判断は得意ですが、骨や筋肉などの痛みに対しては「整形外科の先生達に診てもらいましょう」と、お任せすることが多くあります。したがって、そのような症状の時にはいきなり専門科を受診した方がスムーズです。

かゆい、かゆい、かゆいアナタに皮膚科

皮膚に発疹やかゆみなどが出てきた場合は皮膚科を受診するようにしましょう。発疹といっても沢山の種類があり、一概に「蕁麻疹である」などと診断をすることが難しいのです。また、使用する薬剤によっては誤って使用してしまうと悪化させてしまうケースもあるため、皮膚に何らかの症状が診られた場合は皮膚科を受診するようにしてください。

受診する科に迷ったら、内科、整形外科、皮膚科を受診するようにしましょう。
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まとめ

どこにいっても的確な診断をしてくれ、治療をしてくれるというのは理想的だけど、現実的には不可能です。専門的な治療が出来るように診療科が分かれていますが、現実的には地域的な問題やビジネス的な問題が絡んでくるので◯◯科=プロフェッショナルではないんです。したがって、最初は特殊性は無いが幅広い知見を持つ上記3科を受診する方が良いでしょう。その結果、他の科を紹介されるかもしれませんが、自己判断が難しい以上、それが最短で最善だという考え方をすることが治療には大切です。

以上、「これだけ知っておけば良い、初診の時かかるべき診療科」でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

マツイ ケンジ

救命センターの看護師。英国型のナーシングホームをやりたい。アロマなどを用いて西洋医学一辺倒ではないケアを提供することが目標。学園祭で講演会を1人で企画運営し成功させた。アトピー性皮膚炎の患者指導も研究している。